こんちゅうのおもいで

虫が好きな子どもだった。

 

 

春から秋にかけては、チョウを追いかけトンボにいなされカブトムシに魅せられる

そんな教科書みたいな幼少期だったように思う。

 

そんな中、最も身近で最も採りまくったのがセミである。(採った後はご想像にお任せする。放置だ。)

 

地元はクマゼミが多く、アブラゼミは少なかった上にヤツらは高いところに止まるし警戒心が強くすぐ逃げるのでレアキャラ扱いだった。今考えるとこちらがにぶちんだっただけだったが。

その他にニイニイゼミ、ヒグラシは鳴き声のみ確認した。信じてほしい。

 

所変わってある日の図書の時間である。(懐かしいね)

当時は小説にあまり関心がなかったため、昆虫図鑑を開いて眺めていた。

まだ見ぬニイニイゼミはこんな形なのか、あの鳴き声はヒグラシだったのかとセミのページを開いていたときに違和感に気付く。

 

 

セミ、気持ち悪くないか?

 

 

なぜ目と目の間からストローが飛び出ているのだ。

なんだその額の三つの点は。

そもそもお前、アブラゼミの後に載っているじゃないか。だっせぇ。

羽の模様もセンスがない。

 

そう考え始めるともうおしまいである。

体調不良を訴え保健室へと向かった。

セミよ、もうちょっとやりかたがあったんじゃないか